小松 由佳(こまつ ゆか、1982年(昭和57年)9月22日 - )は、日本の登山家・写真家。東京都在住。

来歴

秋田県秋田市出身。秋田県立秋田北高等学校に入学してすぐに登山部へ入部。1999年熊本国体、2000年岐阜インターハイに出場するなど競技登山に打ち込んだ。のち東海大学文学部へ進学。山岳部へ入部し、本格的な登山を始める。同部は女性の入部が禁止されていたが、その決まりを知らない部員によって入部が認められた。4年次には同部初の女性主将となり、中国の未踏峰へ海外遠征も行う。

大学卒業後の2006年8月、同大学山岳部創部50年記念事業のK2登山隊へ参加、登頂に成功した(女性としては8人目、日本人女性として初めての成功。また、南南東支稜からの登頂は女性として世界初)。同年度の植村直己冒険賞を受賞した(女性としては山野井妙子、渡辺玉枝に続く3人目)。 また、同年に秋田県県民栄誉章を受章。

勤務先は、登山用品店ICI石井スポーツを経て東京郊外の牧場、知的障害者の福祉施設、現在は若者の自立支援業務に携わる。

その後、風土と共に生きる人間の営みに魅せられ、東西アジアを旅しながらフォトグラファーに転身。多様な自然環境の中での人間の暮らしを撮影している。写真誌『名のない星』を個人的に発刊し、瀬戸内海の過疎化の進む島の暮らしや、秋田の冬の鮭の遡上の光景をフォトエッセイで表現している。

2012年からシリア難民をテーマに取材を続け、同年シリア人男性と結婚。2児の母。 2021年、シリア内戦を描いたノンフィクション『人間の土地へ』にて第8回山本美香記念国際ジャーナリスト賞を受賞。

主な登山歴・取材歴

  • 2004年 ルクン・ムスターグ(中国 新疆ウイグル自治区/6500m)初登頂 
  • 2005年 チョモランマ(中国 チベット/8850m)6500mまで
  • 2006年 K2(パキスタン/8611m)南南東支稜より登頂
  • 2007年 ヨーロッパアルプス メンヒ北壁(スイス)、モンブラン・デ・タキュール(フランス)など
  • 2007年 シスパーレ(パキスタン/7611m)6000mまで
  • 2008年 東京から沖縄まで自転車の旅
  • 2008年 モンゴルの遊牧民を取材
  • 2009年 シリア砂漠の遊牧民ベドウィン族・北イラクのクルド人・イランの遊牧民ゴラッボ族・カシュガイ族を取材
  • 2010年 エジプトのオアシスの暮らし・ナイル流域の暮らしを取材。イエメンの山岳民族を取材
  • 2011年 シリア砂漠の遊牧民ベドウィン族の取材
  • 2012年 シリア内戦下の暮らしを取材
  • 2013年 在ヨルダンシリア人難民キャンプを取材、難民への募金を運ぶ

著書

  • 『オリーブの丘へ続くシリアの小道で:ふるさとを失った難民たちの日々』河出書房新社、2016年3月。ISBN 978-4-309-24755-7
  • 『風土に生きる人々:写文集・生き物との暮らし』(電子書籍) ゼロメガ、2017年1月。
  • 『人間の土地へ』集英社インターナショナル、2020年9月。ISBN 978-4-7976-7389-0

テレビ出演

  • NNNドキュメント(日本テレビ)「サーメル 〜子連れ写真家とシリア難民〜」2017年9月24日
  • 衝撃のアノ人に会ってみた!(日本テレビ) 2018年
  • チコちゃんに叱られる!(NHK) 2019年4月26日
  • こころの時代「生きる根をみつめて」(2022年8月28日、NHK Eテレ)

参考資料

  • 東海大学K2登山隊編『K2 2006:日本人女性初登頂・世界最年少登頂の記録』(東海大学出版会,2007年) ISBN 9784486037026

脚注

出典

外部リンク

  • 小松由佳公式ウェブサイト
  • 秋田県県民栄誉章
  • モダンタイムズ著者 小松由佳

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夏油高原スキー場、小松由佳コース / ryokoさんの焼石岳・兎森山・鷲ヶ森山の活動データ YAMAP / ヤマップ

小松由佳さんの講演会で人生の勉強会 / ひろさんの登山の活動データ YAMAP / ヤマップ

小松由佳の出演時間

日本人女性初K2登頂者、小松由佳インタビュー YouTube