1977年の映画(1977ねんのえいが)では、1977年(昭和52年)の映画分野の動向についてまとめる。

1976年の映画 - 1977年の映画 - 1978年の映画

出来事

世界

  • 米国、『ロッキー』(1976年11月公開、ジョン・G・アヴィルドセン監督)の大ヒットで一躍シルヴェスター・スタローンがマネー・メーキング・スターのトップとなる。
  • 米国、『スター ウォーズ』(ジョージ・ルーカス監督)が1億6500万ドルの配給収入で興行成績1位、2位は『未知との遭遇』(11月公開、スティーヴン・スピルバーグ監督)の7700万ドル。
  • 1月16日 - 今井正監督『あにいもうと』、第6回インド国際映画祭劇映画部門金孔雀賞(最優秀作品賞)受賞。
  • 2月16日 - オーストラリア初の日本映画祭をシドニーで開催(19日まで)。
  • 5月25日 - 米国で『スター・ウォーズ』公開。
  • 8月16日 - エルビス・プレスリー(米歌手・俳優)死去。
  • 10月14日 - ビング・クロスビー(米歌手・俳優)死去。
  • 12月7日 - 東宝代表取締役相談役・清水雅が仏最高位文化勲章(コマンドゥール・デ・ザール・エレッテル)受章。
  • 12月25日 - 喜劇王チャップリン(88歳)死去。

日本

  • 2月
    • 2月2日 - ピラニア軍団、第19回ブルーリボン賞特別賞受賞。
    • 2月12日 - 東京有楽町・日劇地下喫茶店より出火、劇場営業に支障は出たものの人的被害はなし。
    • 2月22日 - 東宝事業部、キャラクター「スヌーピー」、「ピンクパンサー」、「ジョーズ」、「キングコング」などのマーチャンダイジング発表・説明会開催。
  • 3月
    • 3月5日 - 東映東京撮影所、第10回記念大バザール開催(6日まで)。
    • 3月21日 - 女優田中絹代(67歳)死去。
  • 4月
    • 4月1日 - 日本教育テレビ(NET)が「全国朝日放送」(現・テレビ朝日、EX)と改称。
    • 4月7日 - 松竹、製作面での合理化として大船撮影所を分離するため、傍系会社の松竹映像創立。
    • 4月18日 - 松竹会長城戸四郎(82歳)死去。
  • 5月
    • 東宝、完全自動映写機バレンタイン・スオードを一部直営劇場に導入。
    • 5月10日 - 東京有楽町・東宝有楽ビルを有楽町電気ビル新築のため解体。
    • 5月21日
      • 映画製作者・本木荘二郎死去。
      • 鈴木清順監督、10年ぶりの復帰作『悲愁物語』が公開。
    • 5月24日 - 俳優近衛十四郎(63歳)死去。
    • 5月25日 - 東宝、松岡功社長就任。
  • 6月
    • 「第1回ぴあ展(映像部門)」(第1回ぴあフィルムフェスティバル)開催。
    • 日本ビデオ協会、レンタルセンターを東京有楽町・日劇地下1階に実験的に開設。
    • 6月1日 - 成人ビデオ倫理自主規制懇談会が改組、「日本ビデオ倫理協会」と改称。
    • 6月4日 - 『八甲田山』の各地先行ロードショー、歴史的ヒットを記録し、大成功。
    • 6月8日 - 日本ヘラルド、日本武道館(東京千代田区)では史上初となる大試写会(伊映画『テンタクルズ』)に1万人を招待して開催。
    • 6月17日 - 森谷司郎監督『八甲田山』の全国一般公開が大盛り上がりで始まる。8月、63の映画館で興行収入新記録を出すようなヒットとなる。
  • 7月
    • 7月21日 - 映画『ジェット・ローラー・コースター』(ジェームズ・ゴールドストーン監督)の上映中止。テロ行為実行の脅迫状が有楽座ほか2劇場に届く(のちに間違いと見なされる)。
    • 7月22日 - CIC本社、パレスチナゲリラを刺激するとして、有楽座次回作『ブラック・サンデー』(ジョン・フランケンハイマー監督)の公開中止を決定。のちにビデオ発売はされる。
  • 8月
    • 8月5日 - 東宝が後援し、東宝企画、東宝美術が製作運営した「大西郷博覧会」が鹿児島市で開幕(10月23日まで)。
    • 8月6日
      • 東映洋画配給部、『宇宙戦艦ヤマト』(舛田利雄監督)を洋画系で配給、公開2週目からは上映劇場を拡大するほどのヒット。
      • 『トラック野郎・度胸一番星』(鈴木則文監督) / 『サーキットの狼』(山口和彦監督)封切、ヒット。
    • 8月15日 - 映画『愛のコリーダ』の宣伝用スチール写真や脚本などを含む同名の単行本が猥褻わいせつであると、著者大島渚と出版社三一書房が起訴される。
  • 9月
    • 9月1日
      • 大映、大映映画撮影所、大映映画京都撮影所、大映配給、大映映像、大映映画の5社に分離、経営合理化。
      • 日活、希望退職者募集開始。
    • 9月11日 - 東京・新宿文化ビルの再開発にともない、新宿文化劇場、新宿蠍座閉館。
    • 9月19日 - 東宝東和が日本初のオーストラリア映画『少年と海』の輸入配給を発表(10月29日公開)。
  • 10月
    • 10月1日 - ヘラルド・エンタープライズ設立。
    • 10月8日 - 大量宣伝をした角川映画第2弾『人間の証明』(佐藤純彌監督)が公開され、大ヒット。
    • 10月27日 - 東映、ソ連映画輸出入公団との間で、1980年モスクワオリンピック記録映画の日本・東南アジア地域配給権取得に関する契約設立。
    • 10月29日 - 野村芳太郎監督『八つ墓村』が公開されヒット。『八甲田山』や『八つ墓村』のヒットで、1本立て映画の製作が増加。
    • 10月31日 - 日活、日活撮影所の電気通信共済会〔現・NTTグループの共済会〕からの買戻し、正式和解。
  • 11月
    • 11月2日 - 千葉県習志野・京成電鉄谷津遊園内に「メルファンランド(動く人形館)」が完成(東宝美術、東宝映画、京都衣裳、東宝設備、東宝レコードが施工協力)。
    • 11月13日 - 映画監督豊田四郎(71歳)死去。
    • 11月24日 - 日本アカデミー賞協会設立。
  • 12月
    • 12月3日 - 東京・五反田東映劇場と五反田東映シネマ、旧・五反田東映劇場再開発複合ビル〔「ハイラーク五反田」〕内にオープン。
    • 12月10日
      • 映画製作・配給を行う東映セントラルフィルム設立。設立目的は、大作映画の長期興行が無理な地域の映画館で上映する作品を確保すること。
      • 大阪・梅田に洋画ロードショー館の三番街シネマ3オープン。
    • 12月24日 - 『トラック野郎・男一匹桃次郎』(鈴木則文監督) / 『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(山口和彦監督)封切、ヒット。
    • 12月27日 - 俳優・高田稔死去。

周年

  • 創立45周年
    • 東宝

日本の映画興行

  • 入場料金(大人)
    • 1,300円
    • 映画館・映画別
      • 1,300円(松竹、正月映画『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』)
      • 1,300円(松竹、8月公開『男はつらいよ 寅次郎と殿様』)
      • 1,300円(有楽座、正月映画『キングコング』)
      • 1,300円(丸の内ピカデリー、正月映画『ブーメランのように』)
      • 1,300円(渋谷パンテオン、正月映画『ダーティハリー3』)
      • 800円(東宝、10月リバイバル公開『天国と地獄』)
    • 1,230円(統計局『小売物価統計調査(動向編) 調査結果』 銘柄符号 9341「映画観覧料」)
  • 入場者数 1億6517万人
  • 興行収入 1523億7300万円
出典:「1977年度日本映画・外国映画業界総決算」『キネマ旬報』1978年(昭和53年)2月下旬号、キネマ旬報社、1978年、118 - 128頁。 

各国ランキング

日本配給収入ランキング

併映作に関する出典:「1977年邦画四社<封切配収>ベスト5」『キネマ旬報』1978年(昭和53年)2月下旬号、キネマ旬報社、1978年、124頁。 
上記以外の出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、352頁。ISBN 978-4873767550。 
併映作に関する出典:「1977年邦画四社<封切配収>ベスト5」『キネマ旬報』1978年(昭和53年)2月下旬号、キネマ旬報社、1978年、124頁。 
上記以外の出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、352頁。ISBN 978-4873767550。 
出典:#10の出典「キネマ旬報」1978年2月下旬号総決算。それ以外の出典『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、352頁。ISBN 978-4873767550。 

北米興行収入ランキング

日本公開映画

1977年の日本公開映画を参照。

受賞

  • 第50回アカデミー賞
    • 作品賞 - 『アニー・ホール』
    • 監督賞 - ウディ・アレン(アニー・ホール)
    • 主演男優賞 - リチャード・ドレイファス(グッバイガール)
    • 主演女優賞 - ダイアン・キートン(アニー・ホール)
  • 第35回ゴールデングローブ賞
    • 作品賞 (ドラマ部門) - 『アニー・ホール』、『愛と喝采の日々』
    • 主演女優賞 (ドラマ部門) - ジェーン・フォンダ(ジュリア)
    • 主演男優賞 (ドラマ部門) - リチャード・バートン(エクウス)
    • 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) - 『グッバイガール』
    • 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - ダイアン・キートン(アニー・ホール)、マーシャ・メイソン(グッバイガール)
    • 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - リチャード・ドレイファス(グッバイガール)
    • 監督賞 - ハーバート・ロス(愛と喝采の日々)
  • 第43回ニューヨーク批評家協会賞 - 『アニー・ホール』
  • 第30回カンヌ国際映画祭
    • パルム・ドール - 『父 パードレ・パドローネ』(パオロ・タヴィアーニ&ヴィットリオ・タヴィアーニ)
    • 監督賞 -
    • 男優賞 - フェルナンド・レイ(ELISA, VIDA MIA)
    • 女優賞 - シェリー・デュヴァル(三人の女)、モニーク・メルキューレ(J.A. MARTIN PHOTOGRAPHE)
  • 第34回ヴェネツィア国際映画祭
    • 金獅子賞 - 受賞作なし
  • 第27回ベルリン国際映画祭
    • 金熊賞 - 『The Ascent』(Larissa Shepitko、ソ連)
  • 第1回日本アカデミー賞
    • 最優秀作品賞 - 『幸福の黄色いハンカチ』(山田洋次)
    • 最優秀主演男優賞 - 高倉健(幸福の黄色いハンカチ、八甲田山)
    • 最優秀主演女優賞 - 岩下志麻(はなれ瞽女おりん)
  • 第20回ブルーリボン賞
    • 作品賞 - 『幸福の黄色いハンカチ』
    • 主演男優賞 - 高倉健(『八甲田山』『幸福の黄色いハンカチ』)
    • 主演女優賞 - 岩下志麻(『はなれ瞽女おりん』)
    • 監督賞 - 山田洋次(『幸福の黄色いハンカチ』)
  • 第51回キネマ旬報ベスト・テン
    • 洋画第1位 - 『ロッキー』
    • 邦画第1位 - 『幸福の黄色いハンカチ』
  • 第32回毎日映画コンクール
    • 日本映画大賞 - 『幸福の黄色いハンカチ』

誕生

  • 1月3日 - 飯塚雅弓、日本の声優
  • 1月3日 - 小沢真珠、日本の女優
  • 1月13日 - オーランド・ブルーム、イギリスの俳優
  • 1月29日 - 宝生舞、日本の女優
  • 2月9日 - 田中美里、日本の女優
  • 3月16日 - 柏原崇、日本の俳優
  • 4月29日 - 一色紗英、日本の女優
  • 5月8日 - たかはし智秋、日本の声優
  • 5月16日 - メラニー・リンスキー、ニュージーランドの女優
  • 5月26日 - 伊東美咲、日本の女優
  • 6月5日 - 大河内奈々子、日本の女優
  • 6月10日 - 松たか子、日本の女優
  • 7月1日 - リヴ・タイラー、アメリカの女優
  • 8月12日 - パク・ヨンハ、韓国の俳優( 2010年)
  • 8月22日 - 菅野美穂、日本の女優
  • 8月25日 - 浅野真澄、日本の声優
  • 9月26日 - 佐藤藍子、日本の女優
  • 11月10日 - ブリタニー・マーフィ、アメリカの女優( 2009年)
  • 12月6日 - 市川海老蔵 (11代目)、日本の歌舞伎役者・俳優

死去

脚注

注釈

出典

参考文献

  • 石原良太 編『映画賞・映画祭日本・外国受賞作品大全集 : 栄光と虚栄・アカデミー賞からヨコハマ映画祭』芳賀書店、1986年6月。ISBN 4-8261-0520-7。 
  • 斉藤守彦『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』ダイヤモンド社、2009年11月27日。ISBN 978-4-478-01134-8。 
  • 松竹『松竹九十年史』松竹、1985年12月。全国書誌番号:87001945。 
  • 谷川義雄『年表・映画100年史』風濤社、1993年5月。ISBN 4-89219-113-2。 
  • 東映『クロニクル東映-II 1947-1991』東映、1992年10月。全国書誌番号:93017746。 
  • 東宝『東宝五十年史』東宝、1982年11月。全国書誌番号:83041631。 
    • 渋沢社史データベース版(1982年11月刊行本が底本)
  • 東宝 編『東宝75年のあゆみ ビジュアルで綴る3/4世紀 1932 - 2007』東宝、2010年4月。 
    • 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月。 
  • 日活『日活100年史 = Nikkatsu-celebrating 100 years of history』日活、2014年3月。全国書誌番号:22411179。 

外部リンク

  • 日本映画 - 日本大百科全書(ニッポニカ)

「good old days」おしゃれまとめの人気アイデア|Pinterest|kouenji 映画 ポスター, 映画, 金田一耕助

250 1977 movies Stock Pictures, Editorial Images and Stock Photos

稀少!当時物 映画批評誌 映画芸術 1977年2月号 冒険浪漫堂

映画情報 1977年6月号 [雑誌] カルチャーステーション

近代映画 1972年10月号